晴れのち晴れ 〜有理はりきゅう室ブログ〜

鹿児島市吉野にある小さな治療室。女性一人でやってます。

肩こりなんですが。

以前から娘さんや奥さまが治療にお越しくださっているお宅のご主人が、みんなが行ってるなら行ってみようかな、とお越しくださいました。

主訴は肩こり。

ご本人は以前から近くの鍼灸治療院で時々治療されていた、とのことです。

御家族がお元氣になっていくのを見ていて行ってみたくなった、という、治療家にとってはとてもありがたいお話しです。

細身ですらーっと長身の紳士。

主に事務のお仕事ですが、責任あるお立場なのでいろいろなことがあり、決まった姿勢はなさそうです。

背中曲がり、顎が前に出ている典型的な猫背。

脈を診ると、浮いてややはやく、太くて輪郭がはっきりて強い「洪脈」を打っています。

痩せた方の脈は浮き、
ポッチャリした方の脈は沈んでいるのが普通です。

痩せた方はお肉がないからむき出しで、
ポッチャリした方はお肉に埋もれてる感じです。
痩せてるのに沈み、ポッチャリなのに浮いていると、あれあれ???となります。

速い遅いは、熱の有無。
速いは熱。
遅いは冷え。
稀に、少ない血で全身を栄養するために弱く速く打つ場合もあります。

筋肉の強張り、となると筋肉に配当される「肝」を緩めるのがいいように思われますが、そうばかりではないのが人の体。

肩がガッチガチの脈もお腹もガッチガチなら、肝を緩める治療。私なら「太敦」への鍼。

そうではなかったな、さあどうしよう…

脈診、腹診、問診、望診、聞診、そして切診(触診のこと)を駆使し病理を導き出します。

その整合性をはかるため、いろんな質問をしていきます。

「そのことは、肩こりとは何の関係もありません。肩はその前からずっと凝ってますから。」

ですよね、ですよね。

一見何の関係もなさそうですが、実は関係があることもあります。

例えば、眠れないことと肩こり。

眠るためには、昼間体表で活発に動いていた陽気が胸にしまいこまれて、眠りに着きます。
陽気が中に入るので、寝ると寒いですよね。
胸に熱があると、寝付けない。寝たとしてもすぐ目が覚める。その胸の熱が肩こりとなっていることもあります。

体の変化には、何か理由がある。
私はそう思っています。

雑談の中にヒントがたくさんある、雑談は心と体の状態が現れる宝の山です。

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