東京での暮らし①
さて、鍼灸師を夢見て東京に出た私。
初めの住まいは兄が大宮の駅から徒歩15分の2DKのアパートを探していてくれた。
いやいや、私1人には贅沢だな…
昼は、浦和にあるスポーツ整形外科で見習いとして働き、夜は、早稲田にある専門学校に通った。
鹿児島を出る時みんなに「すごいね!」って言われるのが気持ちよく、心の中で「そうそう、私、すごいの」って誇らしく思っていたけど、東京に出ると、昼働いて、夜学校、って人は結構いる、ってか私よりすごい人ばかり。
昼の仕事が中学校の先生だったり、一部上場企業にお勤めだったり、眼鏡屋の店長、整骨院経営、病院にお勤めの理学療法士、JRを定年退職したおじさんもいた。私は極めて身軽なほうだった。
自分は大したことないことに気づいた。
昼間の仕事と夜の勉強、リンクしていて毎日がとても楽しかった。
がむしゃらに勉強した。
体の仕組みがわかるのが楽しくて仕方なかった。
解剖学、生理学、臨床医学各論総論。西洋医学ははっきりと目に見える。骨も血管も神経も目に見えるので覚えやすかった。
それとは逆に東洋医学は大っ嫌いだった。
だって、漢字ばっかり!見えない物を追いかけてただ覚える。だから試験に受かる程度の勉強がやっとだった。
1年の夏、ロサンゼルスのカイロプラクティック大学のスポーツトレーナーの先生のオプション講義を受けた。
その時、私のハートは射抜かれてしまった。
2年の夏にロサンゼルスで15日間の実習があるとのこと。
費用は60万円。
どうしても行きたかった。
つづく
有理はりきゅう室ホームページhttp://www.yuriharikyu.com/